転職活動において、1次面接は非常に重要なステップです。
私は過去に2回転職を経験し、面接も10回以上受けてきました。また、最近ではチームのリーダーとして、チーム増員のために求人票を作成し、週に2回程度面接対応を行っています。
そこで、求職者・面接官両方の経験から、1次面接に合格するためのポイントについてまとめてみましたので、詳しく解説して行きます。
1次面接とは何か?
1次面接では、現場のメンバー視点で「一緒に働くイメージが湧くか」を確認するための場であることが多いです。現場のメンバーやマネージャーが面接官となり、候補者のこれまでの経験やスキルについて詳しく質問します。
また、一緒に働く上で、コミュニケーションが円滑に出来そうか、主体的に行動出来そうか、なども確認されます。
なお、私の前職での面接では、1次面接、2次面接での面接官だった人と、直接仕事をする機会はありませんでした。人数が3000人以上の企業だったため、採用後に配属先が決まり、入社後に初めて上長やリーダーと顔を合わせました。
一方、現職は200人程度のスタートアップ企業で、採用後に配属予定となるチームリーダー・マネージャーで1次面接の面接官をしています。
ちなみに、会社のビジョンへの共感度や希望年収などは、現場のメンバーやマネージャーよりも上位層が詳しくチェックします。そのため、主に2次面接以降で確認されるケースが多いようです。
1次面接で確認されるポイント
1次面接では、主に以下のポイントが確認されます。
職務経歴書の内容からこれまでの経験についての深掘り
これまでの実務経験や、携わったプロジェクトについて、職務経歴書を元に詳しく聞かれます。
保有しているスキルについての深掘り
保有スキルついて、具体的な実績やエピソードを通して詳しく聞かれます。
1次面接でよくある質問
1次面接では、以下のような質問があります。
自己紹介をしてください
1〜3分程度で出来るだけ簡潔に話せるといいと思います。名前や勤務先、現在の業務内容と概要の説明など、実際にどんなことを話すかを書き出し、話す練習をしておくとより本番でスムーズに話せると思います。
ただし、丸暗記して話すのはおすすめしません。面接本番で忘れてしまうとかなり動揺しますし、面接官側にも「覚えたことを話してるだけだな」と伝わってしまいます。
今の仕事内容について説明をお願いします
今担当している(離職前に担当していた)業務についても、説明できるようにしておきましょう。面接官は当然候補者の業務内容を詳しく知らない訳ですし、業界が違えば専門用語なども伝わらないと思いますので、わからない相手の立場に立って説明しましょう。
顧客数、経験年数、問い合わせ数などの「数」の情報を入れると、より具体例に伝えることができます。
何か質問はありますか?
会社や職場についての関心を示すために、具体的な質問を用意しておくと良いです。具体的な質問例については、この後紹介します。
その他の質問15選
以下に、面接時によく聞かれる質問を紹介します。「こんなことを話そうかな」とイメージしておくだけでもスムーズです。
- 得意なこと、苦手なことを教えてください。
- 転職活動を始めた背景は何ですか?
- 弊社の志望動機を教えてください。
- 〇〇社は、何故離職したのですか?
- 〇〇社では、何に魅力を感じて入社を決めたのですか?
- 何を軸に会社選びをしていますか?
- チームメンバーをまとめた経験はありますか?その際、どんなところに工夫していましたか?
- チームで意見が対立したときは、どのようにしますか?
- これまでの業務で一番大変だったことはなんですか?
- これまでの業務で一番嬉しかったことはなんですか?
- これまの業務で失敗したことはなんですか?また、どのように失敗の原因を分析し、どのように対策したのですか?
- 何か今勉強していることはありますか?それは何故勉強しているのですか?
- (リモートの職場の場合)テキストでのコミュニケーションに抵抗はありませんか?リモート環境下で分からないことがあった場合はどのようにしていますか?
- 将来管理職に挑戦してみたいと思いますか?
- これからどのようなキャリアを目指しているのですか?
「何か質問はありますか?」で聞きたい質問5選
面接の冒頭や最後に「何か質問はありますか?」と聞かれると思っておきましょう。これは、候補者の疑問を解消したい、どのくらい入社意向があるかを探りたい、といった目的があります。急に質問されても答えられないかと思いますので、必ず準備しておきましょう。
ただし、会社のホームページを見ればわかるような質問や、福利厚生に関する質問ばかりすると、逆に印象を悪くする可能性もあるので、気をつけましょう。
また、1次面接で「会社の中長期の目標は?」などの質問は、現場のメンバーでは答えにくい(または答えられない)場合もあります。面接官に合わせた質問をしましょう。
業務をより具体的にイメージするために、以下のような質問がおすすめです。
- 配属予定のチームのメンバーは、何名位いらっしゃるのですか?
- 大切にしている文化や価値観などはありますか?
- 配属予定のチームでは、どのような目標やKPIを立てているのですか?
- このポジションでは、どのようなやりがいや魅力がありますか?
- 目標設定や評価制度について教えていただけますか?
1次面接に合格するためのポイント5つ
1次面接に合格するためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
自己開示する
面接の場では、どうしても良いことを言おうとしたり、自分の良い面ばかり伝えようとしがちです。
そうではなく、出来るだけありのままの自分を、面接官に知ってもらうようにしましょう。「〇〇は少し苦手です」と素直に伝える人の方が、かえって印象が良くなることもあります。
素直に自己開示をして、結果が不合格だったとすれば「この会社と自分と合わなかっただけだな」と割り切って、次にチャレンジしましょう。
質問に対する回答がずれないように注意する
何を質問されているかを意識して、質問にあった回答をするように心がけましょう。緊張していたり、理解が出来なかったりした場合は「すみません、質問をもう一度伺ってもよろしいでしょうか?」や「〇〇というご質問でよろしいでしょうか?」と丁寧に聞いてみましょう。
何回も聞き返されると「コミュニケーションが円滑に出来るかな?」と心配になりますが、1〜2回であれば許容範囲かと思います。
まずは短く結論を言う
はい・いいえ、A・Bなど、まずは結論を言いましょう。その後に理由や具体的なエピソードに繋げると良いです。
PREP法を使って、結論→理由→具体例→(結論②)のように話せると、聞き手はスムーズに理解することができます。
例えば「〇〇は得意ですか?」と聞かれたら「はい、得意です。理由は…」もしくは「少し苦手です。理由は…」というように、まずは短く結論を話すようにします。
具体的なエピソードを話す
エピソードは具体的に話しましょう。顧客数や売り上げなどの「数」や、どのような業務なのかの説明、苦労したこと、それをどのように乗り越えたか、面接官に伝わるように補足しながら話せるといいですね。
笑顔を忘れずに
笑顔は人に親近感、安心感をもたらします。緊張する面接ですが、是非笑顔を心がけましょう。
1次面接でNGだったケースとその理由
私が面接官をしていて、過去に1次面接で不合格となったケースについて、一例を紹介します。
そのポジションの仕事内容と、候補者の経験・スキルのミスマッチ
そのポジションの業務が任せられないと判断されれば、不合格になってしまいます。求人票の内容をしっかり読み、自分のスキルや経験で対応出来そうであれば、応募しましょう。
チームで働く上で懸念がある
質問に対する回答がずれている、説明が分かりづらい、チームに協力的ではないなどの傾向が見えた場合は、チームとして仕事をする際にチームの力を削いでしまう可能性があります。
人物面で、会社や部署の雰囲気に合わない
その会社の価値観と大きく異なると、1次で合格しても、2次や3次で不合格となってしまう場合もあります。会社のカルチャーは、ホームページやSNSなどの発信内容からチェックしておき、ご自身とマッチするかを考えてみましょう。
転職理由が叶えられない
「年収〇〇以上」「フルリモートで働きたい」など、候補者が転職活動をしている理由を叶えられない場合は、不合格にする場合があります。
その他、何か懸念点がある
面接を通して人物面で何か気になる点がある場合は、スキル面ではOKであっても、不合格にする場合があります。
ここは会社によって異なると思いますが、例えば「人を見下す発言がある」「自分を過大評価している」など、一緒に働く上で何か懸念点がある場合は、不合格になってしまいます。
まとめ
1次面接では、「一緒に働くイメージが湧くか」が最も重要視されます。自分の経験やスキルをしっかりと伝え、面接官とのコミュニケーションを大切にしましょう。等身大の自分で臨むことで、自然な魅力をアピールすることができます。
ただ、不合格だからといって、落ち込む必要はありません。たまたまその会社と合わなかっただけかもしれません。
少しでも参考になれば嬉しいです!