自分だけでは見えてこない「価値観」
忙しい日々のなかで、ふと「私って、何がしたいんだろう」と立ち止まることはありませんか?
- リモートワークしたいけど、自分にどんな仕事ができるかわからない
- 求人の条件面だけで選び、実際に働いてみたら、自分には合わなかった
- いつも同じような理由で、離職してしまう
そんなときは、ChatGPTと“壁打ち”するのがおすすめです。
もちろん、他の生成AIでも構いません。
AIを相手に話すことで、自分の考えを言葉にしながら、少しずつ“自分の軸”が見えてくるかもしれません。
ChatGPTで価値観を整理する理由
人と話すときは、相手の反応を気にして本音を抑えてしまうことがあります。
でも、AIなら遠慮はいりません。
- 真夜中でも、何時間でも、つきあってくれる
- パートナーや友人に言いにくいことも、素直に話せる
- 思考の断片を伝えるだけで、整理して返してくれる
ChatGPTとの対話では、「答えをもらう」というよりも、
“自分の中にある答え”を引き出してもらう感覚に近いです。
自分の棚卸しに使ったChatGPTの質問
私もこのブログの方向性に迷いが出てきたとき、
自分の価値観を整理するためにChatGPTを使いました。
最初に、ChatGPTにこう伝えます。
「自分自身の価値観を整理したいので、壁打ちさせてください。」
すると、目的を理解したChatGPTが、次々と質問を投げかけてくれます。
その問いに答えていくだけで、思考の整理が進んでいきました。
以下のようなテーマをもとに進めていくと、価値観が見えやすくなります。
小さい頃、どんな子どもだった?
人は成長とともに性格や価値観が変化しますが、
根っこの部分はあまり変わらないものです。
子どもの頃は、個性が一番表に出やすい時期。
そこを紐解くことで、自分の本質に近づけます。
例えば私は、小さい頃から「マイペース」と言われることが多かったです。
幼稚園では食べるのが遅く、帰りの会まで給食を食べているタイプ。
ぼーっとして行動が遅く、よく親に「早く!」と叱られていました。
一方で、作文や俳句など言葉で表現することが大好き。
学校の帰り道では「今日の作文はどんな内容にしようかな」とワクワクしていた子どもでした。
人から何と言われていたか、好きだった遊び、夢中になったことなどを思い出しながら、ChatGPTに伝えてみましょう。
人から言われて嬉しかった言葉
学生時代や社会人時代に、人から言われて嬉しかった言葉を思い出してみましょう。
「自分が何に喜びを感じるのか」が見えてきます。
- 「文化祭の実行委員で、段取りが上手だと褒められた」
- 「誰も手を挙げなかった『いきもの係』に手を挙げて、先生に感謝された」
- 「後輩から『先輩には悩みを相談しやすい』と言われた」
具体的な状況や、なぜ嬉しかったのかを言葉にすることで、自分の価値観が浮かび上がります。
印象に残っている出来事
人生の中で印象に残っている出来事を思い出してみましょう。
そこには、悩みや葛藤、そして成長のきっかけがあります。
- 「受験勉強を頑張って志望校に合格した」
- 「留学先で孤独を感じながらも、人とつながる力を得た」
- 「部署異動で出会った人との関係が、人生の転機になった」
過去の出来事を振り返ることで、今の自分を形づくる要素に気づくかもしれません。
仕事で得意なこと・苦手なこと
仕事を通して、自分の得意・不得意を整理してみましょう。
- 「企画を立てるのが得意」
- 「手順書に沿って正確に作業するのが得意」
- 「単純作業を繰り返すのが苦手」
- 「突発的なトラブル対応が苦手」
数を多く出すことで、自分の仕事スタイルが明確になります。
「得意なことが思いつかない」と感じたら、
「チームの中では一番得意」くらいの感覚で考えてみましょう。
今の仕事の悩み・不満・不安
誰しも、仕事にモヤモヤを抱えることはあります。
でも、それを自分で言語化するのは難しいものです。
- 「朝、決まった時間に始業するのがつらい」
- 「昇進したいが、上のポストが詰まっていて活路が見えない」
- 「職場に愚痴が多く、自分まで気分が沈む」
そんな悩みをChatGPTに打ち明けると、
「人間関係を重視するタイプですね」など、分析を返してくれます。
客観的に見てもらうことで、冷静に状況を整理できます。
今後やりたいこと
「人生のやりたいことリスト」を書いたことがある人もいるかもしれません。
ChatGPTに共有すると、リストの中から“自分の軸”を見つけてくれます。
ぜひ共有してほしいのは、以下の内容。
- 「5年以内にやりたいこと」
- 「人生で、どうしてもやりたいこと」
私はリストを100個書こうとしたものの、70個で止まりました。
でも眺めていると、こんな傾向が見えてきました。
- 「好き・得意を活かして、成果を出したい」
- 「体験したことを共有して、人の役に立ちたい」
この2つの方向性が、今のブログ運営につながっています。
ChatGPTを使うときのコツ
ChatGPTとの壁打ちを効果的にするには、いくつかコツがあります。
プラン比較:無料版と有料版
私はChatGPT Plusを使用していますが、無料版でも壁打ちは可能です。
以下は、簡単なプラン比較です。
無料版(Free)
アイデア出しや軽い相談には十分に使えます。
ただし、ファイルのアップロード機能や高度な機能には制限があり、処理スピードやアクセス優先度も有料プランに比べて遅くなることがあります。
ChatGPT Plus(月額 約20 ドル)
長文の整理や思考の深掘りをしたい時に最適です。
文脈を参照し、過去の発言も踏まえて返答してくれるため、“壁打ちパートナー”としての完成度が高くなります。
無料版より安定した速度とアクセス優先があり、対話をじっくり行いたい方におすすめです。
ChatGPT Pro(月額 約200 ドル)
最も高性能なプランです。
ドキュメント作成やコンテンツ制作など、大量出力・高質出力・高頻度のやり取りが求められる用途に向いています。
様々なモデル・追加機能を使えることが多く、AIを“主要な仕事道具”として活用する方に価値があります。
*プラン内容や価格は、2025年10月時点の情報です。
「プロジェクト」を分ける
ChatGPTでは、テーマごとにプロジェクトを分けて会話を保存できます。
たとえば以下のように整理すると便利です。
- 自己理解
- 仕事の課題整理
- 勉強計画
「価値観整理」「自己理解」など、自分の思考整理用のプロジェクトを作成しておき、
あとから見返すことで、自分の変化を可視化できます。
個人情報に注意
ChatGPTの送信内容は、学習データとして利用される場合があります。
個人名や会社名、機密情報などは送らないようにしましょう。
具体名は仮称に置き換えることで、安心して使えます。
壁打ち後に整理してもらう
価値観に関する質問を送ったあとに、次のようなプロンプトを試してみましょう。
- 「私の価値観をまとめて教えて」
- 「今の仕事で感じる違和感の正体を探して」
- 「私の得意を活かしてリモートワークするなら、どんな仕事がある?」
- 「将来やりたいことを叶えるための一歩を一緒に考えて」
完璧に整理してから聞く必要はありません。
思いついたまま話すのが、ChatGPTとの対話を深めるコツです。
ChatGPTと2時間話して見えてきたこと
ブログの方向性を見直すために、2時間ほどChatGPTと対話しました。
頭の中に散らばっていた思考が、少しずつ整理されていく感覚。
忘れていた気持ちを思い出し、
「自分らしく働きたい」
「いきいきと働く人が、増えてほしい」
という想いが明確になっていきました。
その結果、生まれたのがこのブログのコンセプト──
「はたらくを、やさしく調える」 という言葉です。
ChatGPTがなければ、今も「このままでいいのかな」と悩んでいたかもしれません。
私は一気に2時間話しましたが、
スキマ時間に少しずつ進めるだけでも、思考が整理されていく感覚を味わえます。
まとめ:ChatGPTは、答えをくれる存在ではなく「自分の声を引き出す存在」
ChatGPTは、カウンセラーでも、占い師でもありません。
でも、自分の中の小さな声を拾ってくれる存在です。
壁打ちを通して気づいたのは、
「私は何をしたいのか?」の答えは、最初から自分の中にあったということ。
ChatGPTは、それを形にしてくれた”優秀な聞き役”でした。


